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特注什器・オリジナル什器の作り方!製作依頼時のポイントを徹底解説!

店舗空間の魅力を高め、商品の価値を最大限に引き出す特注什器。オリジナルの什器は、ブランドの個性を演出し、顧客体験を向上させる重要な要素です。しかし、「どこに依頼すればいいのかわからない」「どのように伝えれば理想の什器が作れるのかわからない」と悩む方も多いのではないでしょうか。

この記事では、特注什器の製作依頼方法や製作会社選びのポイント、依頼時の注意点など、失敗しないための秘訣を解説します。商品の個性が活き、魅力を最大化するオリジナル什器の作り方について、わかりやすくお伝えします。

目次

特注什器とは?なぜオーダーメイドを選ぶのか

特注什器とは、店舗や商品の特性に合わせて一から設計・製作される什器のことです。既製品とは異なり、お客様の要望に合わせてサイズ、形状、素材、カラーなどを自由に選択できる点が最大の特徴です。

既存の規格品では対応できない特殊なサイズや形状、デザイン性が求められる場合に有効で、店舗の空間や陳列する商品に完全にフィットする、唯一無二の什器を実現することができます。

特注什器製作で使用可能な素材

特注什器の大きな魅力の1つは、様々な素材や加工方法から選択できる点です。主な素材としては以下のようなものがあります。

  • 木工素材:合板、メラミン等
  • 金属素材:鉄、ステンレス、アルミ等
  • 樹脂系材:アクリル、ポリカーボネート、スチレンボード
  • ガラス材:板ガラス、曲ガラス、強化ガラス

これらの素材を組み合わせたり、仕上げに塗装やシート等を施したりすることで、お好みの什器が製作可能です。例えば、木材の温かみと金属のスタイリッシュさを組み合わせたり、アクリルの透明感を活かした展示効果を実現したりすることができます。

素材選びは什器の見た目だけでなく、耐久性や機能性にも大きく影響するため、使用環境や目的に応じて最適な素材を選択することが重要です。

既製什器との違い

既製什器は量産された製品として、幅広い店舗で使用されるように設計されています。比較的安価で即納可能な点が魅力ですが、デザインや機能面での柔軟性には限界があります。

例えば、棚の高さが固定されていたり、カラーや素材が限定されていたりするため、店舗のブランディングや商品陳列にピッタリ合わないことも少なくありません。

一方、特注什器は店舗の要件や商品の特性に合わせて一から設計されるため、空間や陳列商品に最適化されたサイズや形状、素材、カラーを自由に選べます。また、商品の視認性を高める照明機能を組み込んだり、季節ごとに変更できるディスプレイ部品を追加したりすることも可能です。

特注のメリット

什器をオーダーメイドで製作する主なメリットは以下の通りです。

商品の魅力を最大化するデザイン性

特注什器の大きな利点の1つが、商品そのものの魅力を最大限に引き出すデザイン性にあります。

商品は、いかにその特長を顧客に伝えられるかによって売上が大きく変わります。特注什器は、その商品のためだけに設計されるため、陳列方法や什器の形状、素材が商品の魅力を引き立てる役割を果たします。

例えば、アクセサリーショップでは、小さな商品が埋もれないように什器自体がアクセサリーを目立たせるようデザインされることがあります。透明なアクリル素材を用いた什器は、商品を360度から視認できるだけでなく、余計な要素を排除することで商品の高級感を際立たせます。

長期的なコストパフォーマンス

オーダーメイドであるため初期費用が既製什器よりも高い特注什器ですが、長期的なコストパフォーマンスを考えると大きな価値を提供する場合も多いです。

一般的な既製什器では、使用頻度や店舗の条件により、劣化や破損が早期に発生することがあります。一方、特注什器は、導入時に使用環境や目的に応じて適切な素材や構造を選ぶことが可能です。例えば、錆びにくいステンレスや強化ガラスを使用することで、厳しい環境下でも長期間使用できる什器が実現します。

また、製品の魅力が伝わりやすい什器を製作できれば、販促施策としても有効となり、結果的にコストパフォーマンスが向上する可能性もあります。

店舗運営の効率化

特注什器は、店舗運営の効率化にも大きく寄与します。店舗では、限られたスタッフやスペースで効率よく業務を行うことが求められますが、既製什器では運営の課題を十分に解決できない場合があります。

特注什器は、業務フローやスタッフの動線を考慮した設計が可能であり、運営をスムーズに進めるための有力なツールとなります

例えば、飲食店や食品販売店では、商品の陳列と在庫管理を同一什器内で同時に行う場合があります。特注什器では、商品補充を容易にする引き出し式の収納や、在庫の数を一目で把握できる透明窓を組み込むことが可能です。

このような設計により、スタッフが効率的に業務を行えるだけでなく、顧客がスムーズに商品を選べる環境が整います

特注什器を導入すべき場面

特注什器は様々な業種や施設で活用されています。主な利用シーンとしては以下のようなものが挙げられます。

  • 企業内資料室:企業の歴史や商品紹介のための展示ケースやパネル
  • 博物館・美術館・科学館:展示コーナーの展示台やショーケース、貴重品保管ケース物販店:各種陳列用製品、ブランドイメージに合わせた独自デザインの陳列棚
  • ショールーム:商品を効果的に見せるための特殊ディスプレイ
  • 量販店・百貨店:限られたスペースを最大限に活用するための最適化什器
  • 宝飾店:高級感を演出し、防犯対策も考慮したガラスケース
  • フィギュアショップ:コレクションを美しく展示するための専用ケース

それぞれのシーンに合わせて、素材や形状、機能性を最適化した什器を製作することで、商品や展示物の価値を最大限に引き出すことができます。

しかし特注什器は万能ではありません。コストや製作期間を考慮すると、本当に必要な場面やタイミングで導入することが重要です。以下では課題別に、特注什器を導入すべき場面について検討していきます。

商品陳列や店舗デザインに課題があるとき

特注什器の導入を検討すべき最も代表的なタイミングは、商品陳列や店舗デザインに課題を感じたときです。顧客が商品に興味を持つ第一歩は「見やすさ」「手に取りやすさ」です。しかし、既製什器では、店舗や商品に最適なサイズ感やレイアウトを実現することが難しい場合があります。

例えば、既製什器を使用していると、店舗内のスペースを無駄にしてしまうことがあります。通路が狭くなったり、商品の並べ方に制限が出たりすると、顧客の購買体験が損なわれる可能性があります。

一方で、特注什器は店舗の空間にピッタリと収まるサイズで設計されるため、限られたスペースを有効活用することが可能です。

さらに、店舗デザインにおいても特注什器は強力な味方となります。特に、ブランドの個性やコンセプトを打ち出したい場合、既製品では汎用的なデザインに限られますが、特注什器ならば、素材、カラー、形状などを自由に選択でき、ブランドイメージを具現化することができます

既存什器では機能や耐久性が不足しているとき

耐久性の問題は、特に重い商品を取り扱う業態や、不特定多数の顧客が什器を利用する店舗でよく見られます。

例えば、大型電気店で販売される家電製品や飲食店で使用される什器では、重量や頻繁な取り扱いに対応できる堅牢性が求められます。既製品の場合、規格が一般的な耐久基準に合わせて作られているため、長期的に使用する中で劣化や破損が発生する場合があります。

また、機能面では、スタッフの業務効率を向上させるために収納スペースを増やしたり、動線に配慮したキャスター付き什器を導入したりすることで、業務全体の生産性が向上します。

イベントやキャンペーン用に特化した什器が必要なとき

イベントやキャンペーンの実施においても、特注什器は非常に有効です。プロモーション活動では、短期間で注目を集め、商品を効果的に訴求することが重要です。このような特定の目的のために既製品を使用すると、メッセージや演出がぼやけてしまうことがあります。

特注什器であれば、キャンペーンのテーマに合わせた設計が可能です。例えば、新商品の発売に合わせたディスプレイ什器は、商品そのものを引き立てるデザインやライトアップ機能を組み込むことで、顧客の興味を引きやすくなります。また、季節イベントでは、什器全体にテーマカラーや装飾を取り入れることで、店舗全体が統一感のある演出空間になります。

失敗しないための特注什器「依頼の仕方」

特注什器の製作依頼は、明確なコミュニケーションと準備が成功の鍵となります。ここでは、依頼先の探し方から依頼内容の伝え方、注意点までを解説します。

依頼先を探す

特注什器の製作依頼先を探す方法はいくつかあります。

インターネット検索

製作したい什器の種類や素材でインターネット検索するのが基本的なアプローチです。例えば「アクリル 特注什器」「木製 ディスプレイケース 特注」のように具体的なキーワードで検索することで、専門性の高い業者を見つけられる可能性が高まります。

大型の特注什器や設置が必要な什器の場合は、宅配便やJITBOX便等で運べないことが多いため、インターネット検索で業者を探す場合でも、地元業者や近隣県の業者を検討することをおすすめします。また、製作品によっては受注対応していないケースもあるため、事前に問い合わせることが重要です。

紹介やコネクション

知名度のある会社へ直接問い合わせるか、取引先や知人からの紹介という選択も多く見られます。ただし、それらの会社へ依頼をしても、そこからさらに別の会社へと依頼するケースもあるため、最終的な製作元を確認しておくことも大切です。

依頼内容を伝える準備

依頼内容を明確に伝えるための準備は、成功の大きな要素です。

詳細なイメージや図面がある場合

製作したい什器の詳細なイメージや図面がある場合は、以下の情報を準備しましょう。

  • 正確な寸法が記載された図面
  • 使用する素材の指定
  • 仕上げの詳細指示(塗装、コーティングなど)
  • 製作数量
  • 希望納期

図面には正確な寸法、使用する素材、仕上げの詳細指示が記載されていることが重要です。これらの情報があれば、製作会社は正確な見積もりと製作計画を立てることができます。ただし、製作会社の空き状況により納期や金額は大幅に変動する点に注意が必要です。

図面等がない場合

具体的なイメージやサンプル品等がない場合は、図面の製作から入る必要があります。この場合、内容にもよりますが図面作成費のみで5万~50万円程度の金額がかかることがあります

図面がなくても依頼できる場合もありますが、その場合は以下のような情報を可能な限り詳細に伝えましょう。

  • 使用目的
  • 設置場所のサイズや環境
  • 参考になる類似品や写真
  • 予算の目安
  • 希望する素材や色味

依頼時の重要な注意点

特注什器の依頼時には、いくつかの重要な注意点があります。

詳細な指示は必須

特注製品を取り扱う会社は、指示通りにしか什器を製作しません。詳細指示のないものはトラブルになることが多く、大半の製作会社は受託しない傾向にあります。曖昧な指示は避け、できるだけ具体的に要望を伝えることが重要です。

オーバースペックに注意

製作会社の担当者次第では、必要のない仕様(オーバースペック)を提案され、予算面での折り合いが付かない場合や、最終的な納期トラブルを招いてしまうこともあります。デザインや素材等を含めたモノづくりの知識に自信がない場合は、複数の業者から見積もりを取るなどして比較検討することをおすすめします。

予算が難しい場合の代替案

予算的に難しい場合は、類似の既成品から調達することも1つの選択肢です。モノタロウやストア・エキスプレスなどのサイトでは、多様な既製什器を取り扱っています。これらを組み合わせたり、一部カスタマイズしたりすることで、コストを抑えつつ、ある程度のオリジナリティを実現することも可能です。

 失敗しない製作会社選びのポイント

特注什器の製作会社選びは、プロジェクトの成功を左右する重要な要素です。以下のポイントを押さえて、信頼できる製作会社を見つけましょう。

担当者との面談

製作会社を選ぶ場合には、実際に先方の担当者と面談をして、知識と実績を兼ね備えているかの確認をすることが必要不可欠です。面談を通じて、担当者の専門知識やコミュニケーション能力、提案力などを評価しましょう。

実績とポートフォリオの確認

過去の実績やポートフォリオの確認は必須です。特に求める什器と似たような製作経験があるかどうかは重要なチェックポイントです。実績の確認では次の点に注目しましょう。

  • 類似案件の製作実績(素材、サイズ、デザイン複雑さなど)
  • 対応した業種の多様性
  • 完成品の品質や仕上がり
  • 納品後のアフターフォロー体制

優れた製作会社であれば、具体的な製作事例を示し、各プロジェクトでの課題や解決策まで説明してくれるはずです。

製作体制の確認

製作会社の規模や設備だけでなく、製作体制の実態を確認することも重要です。依頼前に以下の点を確認しましょう。

  • 自社工場の有無と設備の充実度
  • 協力工場のネットワークと管理体制
  • スタッフの専門性と技術力
  • 小ロット生産への対応可能性
  • 在庫管理や品質管理のシステム

もし可能であれば、実際の生産現場を確認・見学することもおすすめです。

Q・C・Dのバランス

特注什器においては、木質から金属、プラスチック等、多種多様な資材を取り扱います。生産管理者が納期に合わせた全体の生産工程を把握し、資材購入時期や工場ライン投入時期とを調整する必要があります。また、製造工程においても技術者の技量によって、完成までのリードタイムは大きく異なります。

オーダーメイド製品だからこそ、納期と品質・価格のバランスは意識すべきことの1つです。

※Q・C・D:品質(Quality)、コスト(Cost)、納期(Delivery)の略称

デザイン・提案力

クライアントの要望を徹底的に考え、機能やコストも踏まえて提案できる会社を選びましょう。単に言われた通りに作るだけでなく、より良い代替案や改善策を提案してくれる会社は貴重なパートナーとなります。

製作会社選びの際の留意事項

ここまで、特注什器の製作依頼の方法について解説しましたが、そもそも製作会社を探す際には、いくつかの知っておくべき課題が存在します。これらの課題を理解しておくことで、より現実的な計画を立てることができます。

対応可能な業者の少なさ

既製品が流通の大半を占めるため、特注品に対応できる業者は国内でも数が限られています。特に特殊な素材や複雑な構造を必要とする什器の場合、対応できる技術と設備を持つ業者を見つけるのはさらに困難になります。業界団体や展示会などでネットワークを構築しておくことも有効な手段です。

新規取引・見積取得の難しさ

多くの特注什器製作会社は定例取引先が決まっており、あえてリスクを取って新規の製作依頼を受ける会社が少なくなっています。特に実績や紹介がない場合、対応を断られるリスクが高まります。

特注什器の場合、見積もり自体を出してもらえないケースも少なくありません。見積もりを出してもらうためには、できるだけ具体的な図面や参考事例を提示し、明確な要件と予算感を伝えることが重要です。

特注什器の製作ならお任せ下さい!

特注什器の製作を検討中の方は、ぜひエヌショーケースまでご相談ください。社内に工場や生産設備を完備しており、什器製作に精通した設計担当者と職人が在籍しているため、貴社の要望に沿って迅速かつ柔軟にオリジナルの什器を製作することが可能です。

特注什器製作について

特注什器製作を成功に導くために

特注什器の製作は、単なる什器の調達ではなく、店舗の価値を高めるための重要な戦略的投資となります。業者と綿密に連携し、理想の特注什器を実現することで、顧客体験の向上と売上増加を図ることができます。

ブランドの個性を活かし、商品の魅力を最大限に引き出す特注什器。この記事を参考に、失敗しない什器製作に取り組んでみてください。

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この記事の執筆者

代表取締役

三溝 拓

名古屋ショーケース(現:エヌショーケース)営業開発部部長を経て、代表取締役に就任。これまで多くの展示会や企業イベント、式典などを成功に導き、常にお客様から求め続けられる価値を提供するために尽力している。

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