暑い夏の到来とともに、多くの企業で社員向けの福利厚生イベントが活発に開催されています。近年では、業種や企業規模を問わず、大企業から中小企業まで、業務外で社員が楽しめる様々なイベントを企画する動きが広がっています。
夏は子どもの夏休み期間でもあり、社員の家族を招いたイベント(ファミリーデー)を開きやすい時期です。また上半期を終えたタイミングで社員を労う目的で、この時期にイベントを開催する企業も多く見られます。
本記事では、夏季に実施される代表的な福利厚生イベントの種類とその具体例、得られる効果、運営上のポイントや課題について、包括的に解説します。
夏の会社イベントが人気の理由
夏の会社イベントは、他の季節と比べて特に人気が高い傾向があります。その理由を詳しく見ていきましょう。
家族参加型イベントを企画しやすい
夏休み期間中は、子どもを育てている社員の家庭において、夏休み中の子どもと一緒に社内イベントへ参加しやすくなります。夏の社内イベントを通して、家族内の交流はもちろんのこと、社員の家族同士での交流のきっかけにもなります。
家族が社内イベントに参加し会社について知ることで、働く社員を応援する気持ちが芽生えたり協力的になったりする効果も期待できます。
年度の節目として活用できる
4月が年度始まりの企業であれば、上半期の節目となる8月後半から9月頃にかけてイベントを開催できます。下半期が始まる前にイベントを企画すれば、年度の節目としてのメリハリをつけたり、社員の上半期の頑張りを労ったりする機会になります。
上半期の業績や成果を鑑みて、下半期に向けて英気を養うことで、社員のモチベーション向上につながります。
夏におすすめの企業イベント企画
夏の季節だからこそ楽しめる、おすすめの会社イベント企画をご紹介します。
スポーツ大会・社内運動会
スポーツ系イベントは社員の健康づくりとチームビルディングを兼ねた人気行事です。社内や近隣の運動施設を会場に、部署対抗の運動会や球技大会を開催する例が見られます。
競技内容は玉入れ、リレー、綱引きといった定番から、ドッジボール大会やバスケットボール大会、フリースローコンテストなど企業独自の工夫を凝らしたものまで様々です。参加者全員が楽しめるよう、運動が苦手な人でも取り組める競技を取り入れることが重要です。
夏祭り・納涼祭などの季節イベント
夏祭り(納涼祭)は、日本の夏ならではの社内イベントです。会社の敷地や屋内スペースを利用して、お祭り風の飾り付けや屋台を設け、社員同士やその家族が夏の非日常な雰囲気を楽しめる場を作ります。
多くの企業はオフィスや社屋内で縁日風の催しを企画します。社内にヨーヨー釣りや射的、金魚すくいといったゲームコーナーを設置したり、かき氷機や屋台風の模擬店で軽食・ドリンクを提供する例が一般的です。
夏祭り以外にも、花火大会鑑賞会、ビアガーデン風パーティー、屋形船クルーズ、流しそうめん大会などの季節感溢れる企画も人気があります。
ファミリーデー(家族参加型イベント)
ファミリーデーは、社員の家族を職場に招待して行う社内イベントで、近年導入企業が増えています。会社のオフィスや社屋を開放し、社員の大切な人たちに職場を見学してもらったり、仕事や会社を紹介するプログラムを用意します。
具体的な実施例として、子ども向けのセミナーやオフィス見学、役員との名刺交換会、工作やスタンプラリーなどがあります。これらの企画には、ゲーム性の高い要素を盛り込むことで、子どもたちから「楽しみながら親の仕事を知ることができた」と好評を得ています。
その他のレクリエーション・健康イベント
夏季には、社員のリフレッシュや健康増進を目的とした様々なレクリエーション企画が実施されています。
アウトドア系の企画として、バーベキュー大会、キャンプ・グランピング、社員旅行などが人気です。これらは社員同士で食材を焼きながら親睦を深めたり、新入社員歓迎やプロジェクト打ち上げを兼ねて催されることもあります。
健康増進系のイベントとして、「全社員歩数チャレンジ」や水分補給を促す夏の健康習慣キャンペーンなども注目されています。
実際の企業事例から学ぶ成功のポイント
夏の会社イベントを成功させるためには、実際の企業事例を参考にすることが重要です。ここでは、効果的な夏のイベントを実施している企業の具体例をご紹介します。
楽天グループ「Smile Summer Days」
楽天グループでは、2024年8月に夏の社内イベント「Smile Summer Days」を開催しています。この企画の特徴は、「浴衣デー」として社員が浴衣姿で仕事をしたり、同僚と一緒に夏祭り気分を楽しめることです。
オフィス内に縁日風の装飾を施し、夏らしい雰囲気を演出することで、日常業務の中にも非日常感を取り入れる工夫をしています。このような取り組みは、コストを抑えながらも社員の満足度を高められる好例といえるでしょう。
参考:https://commerce-engineer.rakuten.careers/entry/announce/0046
メルカリ「メルカリファミリーデー」
メルカリでは、2024年8月9日に「メルカリファミリーデー」を開催しています。「いつもありがとうを伝えよう」をテーマに、メンバーの日頃の頑張りに感謝を示すイベントとして企画されました。
このイベントの特徴は、研究開発部門(R4D)がブースを出展し、研究者や研究活動を体験できるコーナーを提供したことです。家族が参加することで、社員の仕事内容をより深く理解してもらえると同時に、会社の技術力や取り組みを身近に感じてもらう機会となりました。
参考:https://careers.mercari.com/mercan/articles/42183/
AJSソリューションズ「AJS夏祭り」
AJSソリューションズでは、2024年9月11日に本社内の共創エリアにて「AJS夏祭り」を開催。社内のコミュニケーション活性化を目的とし、部門や世代を超えた交流を促進することに成功しています。
オフィス内での開催により、会場費を抑えながらも本格的な夏祭りの雰囲気を演出し、社員同士の親睦を深める効果的なイベントとなりました。
参考:https://www.ajs-solutions.com/ajs-info/news/20240926
フェンリル「2024 Fenrir 夏祭り」
IT企業のフェンリルでは、3日間にわたる夏祭りを開催し、オフィスに出社したメンバーに昼の部はジュースやアイス、夜の部はお酒と軽食を提供する企画を実施しています。
「みんなで暑い夏を乗り切ろう」というコンセプトのもと、長期間にわたるイベントとすることで、より多くの社員が参加しやすい環境を整えています。
参考:https://www.wantedly.com/companies/fenrir/post_articles/965545
夏の会社イベントの効果とメリット
夏の社内イベントには、社員や企業にもたらす様々なメリットがあります。
コミュニケーション活性化・チームワーク向上
部署や世代を超えた交流の場となり、普段業務上接点の少ない社員同士の対話が生まれます。スポーツや祭りを一緒に体験することで一体感や連帯感が醸成され、職場の人間関係が良好になる効果が期待できます。
社員のモチベーション向上・リフレッシュ
非日常的なイベント体験は、日頃の業務ストレスを解消し気分転換につながります。楽しい思い出ができると「また明日から仕事を頑張ろう」という前向きな気持ちを社員に抱いてもらう効果があり、結果として仕事への意欲やエンゲージメントが高まります。
健康増進・福利厚生充実
スポーツ大会への参加は運動不足解消の契機となり、社員の健康意識を高めます。また、家族ぐるみのイベント開催はワークライフバランス推進の姿勢として社員に受け取られ、企業への信頼や満足度向上につながります。
離職防止・採用ブランディング
社内イベントが充実していることは社員の愛社精神や帰属意識の醸成につながり、結果的に早期離職の抑制効果が期待できます。また、ユニークな社内イベントは社風の象徴ともなり、対外的な企業イメージアップ効果も指摘されています。
夏の会社イベント運営のポイントと注意点
夏の会社イベントを成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。
熱中症・暑さ対策は万全に
夏季イベントでは猛暑対策が重要課題です。屋外で開催する場合、熱中症のリスクを下げるための十分な措置が欠かせません。
具体的な対策として、以下のような措置が推奨されています。
- 冷たい飲み物を大量に用意する
- 屋外にミスト扇風機やスポットクーラーを設置する
- 開始時間を朝夕の涼しい時間帯にずらす
- すぐに涼める室内スペースを併設する
- 塩飴や経口補水液・保冷剤を準備しておく
- 天候対策と雨天時の対応
夏は台風や突然の雷雨・ゲリラ豪雨により天候が急変するリスクがあります。雨天時の代替計画(屋内プログラムへの切替えや予備日設定など)を用意しておくことも重要です。
日程設定と参加者への配慮
開催日は業務とのバランスを考慮して設定する必要があります。お盆時期の避け方や、学校行事と重ならないよう配慮することも大切です。また、参加対象が家族まで広がる場合は、長期休暇のスケジュールも考慮しましょう。
虫除け対策
屋外でイベントを行う際は、虫除け対策も必要です。蚊取り線香や虫除けスプレーは運営チームで準備しておくと良いでしょう。キャンプ場などでイベントをする場合は、蜂がいることも考えられるため、より細心の注意が必要です。
夏の会社イベントでよくある質問
夏の会社イベントを開催するにあたって、よくある質問と回答を紹介します。
Q. 夏の会社イベントの予算はどのくらいが適切ですか?
イベントの規模や内容によって大きく異なりますが、一般的に参加者1人あたり3,000円~10,000円程度が目安となります。屋外BBQやファミリーデーなどは比較的低予算で実施可能です。
Q. 熱中症対策で特に注意すべきことは何ですか?
最も重要なのは水分補給と休憩場所の確保です。30分に1回は休憩を取り、水分補給を促しましょう。また、体調不良者が出た際の救護手順も事前に決めておくことが大切です。
Q. 家族参加型イベントで子どもが楽しめる企画はありますか?
スタンプラリー、工作体験、ゲーム大会、縁日風の屋台などが人気です。特に「子ども向け名刺交換会」は大人気で、子どもたちが社長や上司と名刺交換を体験できる企画として注目されています。
Q. 雨天時のイベント中止基準はどのように決めるべきですか?
台風で大雨・暴風・雷などの警報が出た際は「中止」、注意報が出た場合は「屋内に会場を移して開催」など、事前に明確な基準を設けておくことが重要です。
Q. 社内イベントの効果測定はどのように行えばよいですか?
参加率、参加者アンケート、継続開催の有無などが基本的な指標です。また、イベント後の社員のエンゲージメントスコアや離職率の変化も効果測定の参考になります。
ポイントを押さえて夏のイベントを成功させよう
夏の会社イベントは、社員の交流促進やモチベーション向上、健康増進など多様な効果をもたらす重要な施策です。スポーツ大会、夏祭り、ファミリーデーなど、季節感を活かした企画を通じて、社員同士の絆を深めることができます。
実施に当たっては計画や準備に労力が必要ですが、重要なのは、社員のことを想って企画し、一緒に楽しむことです。
エヌショーケース株式会社は、創業55年を超える豊富な実績とノウハウを持ち、これまで様々なイベントの企画や運営をサポートしてきました。様々な規模・ジャンルのイベントのサポートが可能で、納期や予算にあわせて最適なプランをご提案します。
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